文系出身者の建築構造計算 GenS Weblog

建築構造計算に関する情報 と 文系出身のGenSが極めて私見を綴ったWeblogです。たまに趣味ネタも書いてます。


推定崩壊荷重の倍率

ちょうど今日の仕事が終わってブログのアクセスログを見ると,「推定崩壊倍率」というキーワードでGenS Weblogをご覧いただいた方がいらっしゃるようなので,ここで簡単に解説してみます。

ただし,ユニオンさんのSuperBuild/SS3のメニューにある「推定崩壊荷重の倍率」であるものとします。
もし他社ソフトの同様の項目や一般的な疑問だったらごめんなさい。

っていうか,もう一度見てくれますかね?

SS3において「推定崩壊荷重」とは,非線形荷重漸増解析を行う際の水平荷重の総量を意味しており,「推定崩壊荷重の倍率」をQudに乗じて求めます。

Qudが1000kNで,推定崩壊荷重の倍率が0.3だとすると,推定崩壊荷重は300kNとなります。
これを「推定ステップ数」で割れば1ステップ当たりの水平荷重が決まります(等分割の場合)。
漸増載荷の方法を「等差級数」とすると単純に推定ステップ数で割るだけでは決まりませんが,要するに推定崩壊荷重の倍率と推定ステップ数という二つの情報から1ステップ当たりの荷重量を決めているわけです。

推定崩壊荷重の倍率の目安は,保有水平耐力Quが必要保有水平耐力Qunを上回るように設計するわけですから,Ds×Fesとすれば問題ないと思います。

推定崩壊荷重の倍率と推定ステップ数をともに二倍したり半分にしても,結果的に1ステップ当たり水平荷重は変わらないわけですから,この倍率の値にそれほど神経質になることもありません。

また推定ステップ数ですが,最近のコンピューターでは50〜100ステップでまず問題ありません。

計算時間を速くしようと5とか10といった少ないステップ数にすると,かえって不釣合い力の解除計算に時間がかかり,解析精度も落ちてしまいます。

また逆に,大きくすれば精度が上がるだろうと,推定ステップ数を200とか300といった大きな値(荷重量が小さい)にして,1ステップ増分しても何処にもひび割れも降伏も起こらない状態だと,ステップ数だけが何百も何千も進んで,時間がかかるだけで,それ以上の解析精度の向上は望めません。
この状態を私は「空ステップを無駄に刻む」と呼んでいます(笑)。

以上のような感じなんですが,ご理解いただけましたでしょうか?

<追伸>
最近では利用者の少ないSuperbuild/US2では,推定崩壊荷重の倍率の意味するところはSS3と同じですが,推定ステップ数は常に最大値である999ステップにすることを推奨します。

理由の説明は省きますが,荷重漸増解析の方法がSS3と少々異なり,私の言う空ステップを無駄に刻むことがないのです。

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longchamp medium or large
文系出身者の建築構造計算 GenS Weblog | 推定崩壊荷重の倍率
longchamp medium or large http://www.gondalspress.com/bags/le-pliage-c-530.html
2014/02/25 15:11

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